湿原のセビオス岳を過ぎて樹林帯を抜けると大きな岩稜が眼前に立ちはだかる。


牧場コース唯一の難所と言えるクサリ場の登場だ。


山頂を踏むには避けては通れない場所。


さあ、絶体絶命・・・どうするリンゴ!


って、そんな大袈裟なものではない。


岩場好きな人には何とも無いだろうが、自分にとって嫌な場所である事は間違いない。


嫌いな理由は恐怖心よりも昔から人一倍身体が硬い事にある。


無理な体勢をとると足が攣ってしまう。


長短3箇所のクサリがあるが、そのうち2箇所が少々長めである。


登りに於いては難なく通過したが下りで少し難儀した。


【一番目のクサリ場】



 


 


 


【三番目のクサリ場】



 


 


 


クサリ場を経て中ノ岳南肩で主稜線から前武尊方面の眺望。


下界は晴れて暑かったが、稜線上はガスっていて涼風が吹き抜けていた。



 


 


 


中ノ岳南の分岐。


沖武尊には右に進路をとる。



 


 


 


三ツ池からの沖穂高山頂方面の眺望。



 


 


 


池の中には銀色に輝くカエル?の卵が見えた。



 


 


 


少し嫌らしい斜面を進むと日本武尊の像が現れる。



 


 


 


ここから山頂へは僅かな距離だが滑落注意のトラバース道。


 


 


 


 


スタートしてから約3時間半で武尊山最高峰の沖武尊山頂到着。



 


 


 


広めの山頂には同じ牧場コースからの先客の男性が一人昼食中。


聞けば管理人に頼んで入り口のゲートを開けてもらい上まで車で来たとの事。


そんな事は知らずに1時間も余分に歩いてしまった。


一等三角点の標石が置かれた山頂からは谷川連峰、日光、東北の山々のパノラマが広がる。


花の少ない地味な山なので展望だけを楽しみに来たが、残念ながらガスでその素晴らしい眺めは得られなかった。


ガスが晴れるまで待つゆとりも無く、10数分程度のランチタイム後下山を開始した。


下山途中、剣ヶ峰方面のガスが取れ少しだけ展望が得られた。


時間があれば沖武尊から剣ヶ峰への爽快な縦走も楽しいであろう。



 


 


 


下山時には来る時に気付かなかった花々も目に入った。


この日一番の収穫はキヌガサソウの群落。



 


 


 


 


 


 


 


 


どうやら三ツ池付近が花の宝庫となっている様だ。 



 


 


 


勿論稜線上や数少ない湿原にも花は見られた。



 


 


 


 



 


 


 


山頂を後にすると不思議と晴れてくる法則。



 


 


 


中ノ岳主稜線に戻って来る頃、登山口で一緒だった女性二人組みとすれ違い挨拶を交わす。


よく見ると同じ顔、同じ体格、えっ、もしかして双子?



 


 


 


尾瀬至仏山、燧ヶ岳方面も肉眼で確認出来るようになった。



 


 


 


下山途中避難小屋を過ぎてからリフト利用の単独女性とすれ違った。


今回出会った登山者は自分も含め僅か5名。


同じ百名山とは言え、会津駒の喧騒とは対照的な静かな山旅となった。


 


 


 


 


訪れる人が少ない分、自然の残された魅力有る山域とも言える。


またセビオス岳周辺は熊の棲家となっており、麓の武尊牧場でも目撃例がある。



※画像クリックで熊出没。 


 


登山道も変に整備され過ぎず、その分歩き難い箇所も多く高速下山は要注意。


ガスで展望は得られなかったが、牧場、ブナの森、湿原、岩場と、変化に富んだ良い山だった。


登山口~スキー場入り口間の往復2時間の重労働もあって、行動時間7時間を要した山旅となった。