日本200名山の女峰山へは2008年9月13日に志津乗越から登って以来8年ぶり2度目。


今回は往復のCTが9時間30分(登り5時間35分、下り4時間)を超える霧降高原からのロングトレイル。


自分の体力での日帰り山行としては限界リミットである事から躊躇していたのだ。


同行者がいれば日光山内へのONE WAY下山も考えられたが、今日は単独行なので女峰山までのピストンとした。


梅雨の晴れ間となった6月11日(土)、朝から雲一つない快晴。暑くなりそう。



 


 


 キスゲ園地の天空回廊1445段の階段をひたすら登っていく。


まだニッコウキスゲの開花には早い様であるが、カラマツソウなどが草原を彩っている。



 


 


 キスゲ園地の上部に来ると、終盤ながらもレンゲツツジやベニサラサドウダンなどが散見できた。



 


 


 小丸山(キスゲ平)から望む赤薙山への笹原の稜線。



 


 


まだ花の季節には早いが、焼石金剛付近まではオノエランなどの開花が確認できた。


汗だくになりながら撮影したがピンボケの為に全滅、帰りにまた撮り直そう。


それにしても直射日光をモロに浴びて暑いのなんの。


大声で「あぢ~ぃ!あぢ~ぃ!」と叫んでいたら早くも下山してくる登山者とすれ違い。


時々鼻歌を歌っている時に見知らぬ人と交差して恥かしい思いをする事があるが、今回も赤面してしまった(〃ω〃)



 


 


 やがて樹林帯に入り赤薙山への直登となる。


踏み跡が幾筋にも分かれているコメツガ林だが、できるだけ南側の尾根を辿って行くように進んだ。


すると、咲き残りのシロヤシオが登場。



 


 


 山頂直下の巻き道との分岐付近ではシロと淡いピンクのコイワカガミ。



 


 


 これから見飽きる程出てくると分かっちゃいるけど、スクワットせずにはいられない悲しき花撮りおやじ(笑)



 


 


 急斜面を登って赤薙山(2010m)。ザックを下し数分間の休憩。


登り始めてから約1時間半(7:08)と順調。時間が早いので誰もいない静かな山頂でした。



 


 


 さて、この先から女峰山までのルートは初めて、という事で少々緊張しながら尾根に取り付く。


そんな中、癒しのコイワカガミ群落が其処此処に点在。



 


 


 ありゃりゃ~?!これから向かう女峰山方面に湧き上がる怪しい雲。


快晴予報とは言ってもやっぱり梅雨時。高所では天気の急変が気になる時期でもある。



 


 


赤薙奥社跡までの登山道は険しい岩場の痩せ尾根が続き、幾度かのアップダウンを繰り返すハードな道のり。


緊張感も手伝ってか、コース中で最も体力を消耗したポイントとなった。



 


 


足元のコイワカガミはシロに代わって濃いピンク色の群落が登場。



 


 


そんな中で偶然目に留まった可愛いユキワリソウ(ユキワリコザクラ?)。


近くに群落がないかと探ったが、結局他には見つからず。人知れずどこかでひっそりと咲いているのであろう。



 


 


 他にはミヤマカタバミ・・・



 


 


 ミツバオウレンなどの群落が目立つ様になる。



 


 


 厳しい登りに喘ぎながらも漸く赤薙奥社跡へと到着。


ここで休憩中の先行者に追いつく。自分も腰を下ろして小休止。



 


 


その後、一旦鞍部まで下って標高差50m程を登り返すと緩やかな痩せ尾根に出る。


途中に「ヤハズ」と書かれた古い道標があったが、一帯は一里ヶ曽根と呼ばれるなだらかな地形。



 


 


 登山道両脇の足元にはコイワカガミやミツバオウレンが咲き乱れるお花のトレイル。



 


 


 全体を通して気の抜けない険しい道が続く中、ホッと一息つける快適な尾根道であった。


ルンルン気分で思わず鼻歌が出ると言うもの♪



 


 


 その尾根筋にはシャクナゲも多い。



 


 


 やがて広い頂に小祠を祀る独標(2295m)に着き、そこからは女峰山の豪快な眺望が得られる。


ここから女峰山までは残り1時間半程度か?



 


 


この辺りからガレ場や岩場の急斜面が連続し、険しさが増してくる。



 


 


 立ち枯れの木にダケカンバ、バイケイソウなどが目立つ鞍部の森。


この先に水流の細い水場がある。登山道からは20m程離れていたが帰りに立ち寄ってみた。


冷たくて美味しいので急場しのぎには良い。



 


 


 さて、女峰山ピーク(中央)も随分近くになってきたね。


だが、ここからが踏ん張りどころ。



 


 


覚悟を決めて、いざ行かん!



 


 


 程なくして地図にもある危険マークの岩場の急斜面を2ヶ所通過。


歩き難いガレ場で落石にも注意したい。


※写真はその手前の安全地帯で撮影したもの。



 


 


 



 


 


 危険個所を慎重に登り切るとハイマツ帯の緩やかな道となる。



 


 


 ここまで来れば女峰山ピークも僅かな距離。



 


 


 山頂手前の登山道脇には咲き残りのミネザクラ。


岩場にはコケモモやツガザクラの残骸?も。



 


 


 そして遂に、女峰山山頂へ(2483m)。


スタートしてから4時間半が経過。



 


 


 ピークからは遮るもののない素晴らしい展望が得られるが、予想以上にガスの上りが早く到着時はこんな感じ。


前方に帝釈山と小真名子山、その先の大真名子山~男体山はガスに覆われている。


山頂から一段下の祠の前でランチ&晴れ待ちタイム。


残念ながら全体がガスに覆われ乳白色の世界となってしまったので後ろ髪を引かれつつも下山開始。



 


 


 危険個所の岩場を慎重に下り安全エリアになったところでカメラを取り出す。



 


 


 往路では気付かなかったヒメイチゲ。



 


 


 一里ヶ曽根独標で本日2度目のランチタイム。


この辺りから太腿や全身に疲労を感じ小休止を小まめに取る。



 


 


 シャクナゲ、コイワカガミなどの尾根道を気持ち良く歩いて奥社跡まで。


この時間になっても女峰山方面へと向かう登山者が数組。



 


 


 



 


 


 奥社跡で一息入れた後は赤薙山までのスリリングな痩せ尾根歩き。



 


 


 赤薙山直下では軽装の外国人カップルにhelloと挨拶されたが、既に時刻は午後1時前。


これからどこまで行くのだろう?と余計な心配。



 


 


 巻き道の斜面に咲くコイワカガミ群落を見納め。



 


 


 やがて樹林帯を抜けて、霧降高原から東側の展望。


下山をすると晴れているの法則。因みに西側はずっと乳白色。



 


 


 焼石金剛から小丸山までの笹原の稜線に咲くオノエラン。



 


 


 全体的には蕾が多く見ごろとなるのはこれからでしょうか?



 


 


 疲労困憊ながらも観光客で賑わう小丸山展望台に到着。


安堵の瞬間。



 


 


 ひたすら単調な階段を下りて行くが、途中で遊歩道に入りニッコウキスゲの開花状況を偵察。


ボチボチと数輪、咲き始め。



 


 


最後は足が動かずフラフラになりながらも登山口に無事到着。


疲労が蓄積して太腿の痙攣一歩手前。合わせて全身筋肉痛と予想外のハードな山旅となった。


消費した飲料水は約2ℓ。



 


 


 下山の後は高原レストハウスでご褒美のソフトクリームをGET。


甘いのを欲していたのでチョコチップバニラをチョイス。



 


 


 霧降高原キスゲ園地にはまだ咲いてなかったので、帰路にチロリン村に立ち寄りニッコウキスゲを観賞。



 


 


 



 


 己の体力・脚力では片道5時間、トータル10時間以内が限界と考えているので今回のコース設定はギリギリのところ。


険しくハードな中でも登山道に咲く花々に癒されて楽しい山旅を満喫。


期待以上の眺望は得られずも大満足の1日となった。


●霧降高原P(5:30)~小丸山(6:04)~焼石金剛(6:38)~赤薙山(7:08)~奥社跡(8:07)


~一里ヶ曽根独標(8:56)~女峰山(10:05ー10:30)~水場(11:17)~独標(11:28)


~奥社跡(12:15)~赤薙山巻き道分岐(12:55)~小丸山(13:45)~レストハウス(14:10)


休憩を含む行動時間は約8時間40分。


ロングコースとなる事からポイント毎の小休止(5~10分)を小まめに入れ、山頂では30分以内と設定した。


それにしても先週に続き週前半の仕事に支障が出るほどの筋肉痛。


自分の年齢を考えて程々にとも思うのだが、山遊びは楽しいので仕方がない。


ドM山行はいつまで続くのやら・・・?(苦笑)