今年の3月22日に松木渓谷を訪れて以来、必然的に興味を持つ事となった奥足尾の山々。


歴史的な背景は別として、この荒涼とした風景に何か惹かれるものを感じていた。


その時に好奇心から仁田元沢林道を歩いた事で中倉山の存在も知る事となった。


一旦興味を持つとその筋の山レポートを覗き見する機会が増えるのは自然であろう。


足尾ではメジャーな庚申山や備前楯山に比べるとマイナーな部類に入り、要ルーファンの山域と承知していた。


ところが先人の山行レポを見る限り、踏み跡や誘導のテープ類もあってどうやら一般道化しているとの情報だ。


勿論それ以外のマニアックなルートがある事は知っていたが、一般コースを辿るならば自分でも大丈夫だろう。


そんな楽観的な思いが支配するようになってきた。


登山適期は春のアカヤシオか紅葉時期と言われているが、秋が来るまで待っていられずに行く事にした。


思い立ったが吉日、中倉山行を決めたのは昨夜である。


一応web上での仮想山行は済ませていたが、念のために地形図のコピーを持って銅親水公園を目指す。


午前7時半前、駐車場は既に9割方埋まっていた。



 


 


 


今回は導水管橋を渡って対岸の林道まではショートカットさせてもらう。



 


 


 


 毎度の様に終始一人旅を覚悟で来たが、運良く前方に4人組の先行者を捉える。


自分に比べると随分スローであるが、ペースメーカーも兼ねてもらい付かず離れず後を追う事にした。



 


 


 


 追いつきそうになったら道端のオトシブミ(落とし文)などを撮影しながら微調整。



 


 


 


林道から山道への取り付きポイントでとうとう追いついた。


取り付きに道標は見当たらないが、誘導のテープやケルンがあって分かり易い。


山頂までの標高差は約600m。



 


 


 


 ここからは覚悟の一人旅、お先にと挨拶して颯爽と入山した。


いきなりの急登で九十九折の道が延々と続き、直ぐに全身汗だくとなる。


深緑に映える真っ赤なヤマツツジが鮮やか。



 


 


 


 踏み跡は思っていたよりも明瞭で迷う心配は無さそう。


とは言っても、登山道として整備されている訳ではないので自己責任での入山が原則となる。


また、浮石も多く落石や転倒には注意したい。



 


 


 


さて、一気に高度を上げて疲労が出てきた頃、周囲を見渡すと少しずつ展望が開けてきた。


こちらはGWに登った備前楯山でしょうか。



 


 


 


 登りつめた先に見える積み石のケルンからは尾根上を右に。



 


 


 


 ここからは妖艶なヤマツツジから清楚なシロヤシオやミツバツツジに主役交代。


シロの株数は少なかったが広い範囲で見る事が出来た。



 


 


 


岩場の展望ポイント。


これから向かう中倉山の先の沢入山~オロ山へと続く稜線でしょうか。


その奥にちょこんと庚申山。



 


 


 


 尚も急斜面の尾根は続くが、見ごろとなっているトウゴクミツバツツジに癒される。



 


 


 


 やがて傾斜が緩んでくると漸く四方の展望が開け、待望の稜線(石塔尾根?)に出た。


松木渓谷を挟んで奥日光の峰々が眼前に迫る。


この展望をおかずに小休止。



 


 


 


 解放感溢れる明るい稜線の先には山頂が見えてきた。



 


 


 


 標高1530m、中倉山山頂。


山頂手前で下山する単独男性に会ったが、今のところ誰も居ない静かなピークを独り占め。



 


 


 


 気分が良いのでセルフ撮り。



 


 


 


 このところずっとツツジの追っかけばかりしていたので大展望の山に飢えていた(笑)


奥日光の山は勿論だが、眼下に3月に歩いた旧松木村周辺の道やカラミの山も俯瞰できる。



 


 


 


ズームで・・・


 


 


 


 


 本日の目的地は中倉山までであったが、時間も早いので少しばかり周辺偵察。


稜線漫歩を楽しみながら、まずは前方の1539m峰まで行こう。



 


 


 


 稜線に咲いていたタンポポ。


道端に咲いているのは見向きもしないが、山の上では何故か愛おしい。



 


 


 


 稜線上にはたそがれオヤジさんが言うところの孤高のブナ。


煙害にも負けず生き残ったと言われているが、なるほど存在感あるね。



 


 


 


 足尾側からの社山~大平山尾根もいつか・・・。


でも、こうして見ると自分の体力、レベル程度で歩き通すのは容易な事では無さそうだ。



 


 


 


 さて、次なるピークは沢入山(1704m)。



 


 


 


 実は途中の岩場の中間まで行ったが、その先がまるでナイフリッジのように見えたので敢え無く退散。


まあ、言い訳をすれば事前の予習不足・・・。


前方真ん中の鋭鋒は皇海山か。



 


 


 


岩場のピーク手前から遠く奥白根山を望む。



 


 


 


 この辺りでは咲残りのアカヤシオも見られてラッキーだった。



 


 


 


さあ、あとは安全に戻るのみ。


再びなだらかな1539m峰を越えて中倉山へ。



 


 


 


 1539m峰に戻ったところで登山口にて追い抜いた4人組とすれ違う。


時間があればオロ山(1822m)まで行くそうだ。


お気をつけて・・・。



 


 


 


 山頂に戻って展望を満喫しながらの昼食タイム。


付近には自分の他に2組のパーティ計5人が微妙な距離を置いて休憩中。


山頂一帯には樹高の低いヤマツツジの群落が目立ち、来週末には一斉に咲き揃うであろう。



 


 


 


 下山時に撮影したトウゴクミツバツツジの大木。



 


 


 


 遠方の岩場に咲くトウゴクミツバツツジ群落。



 


 


 


復路も同じ一般コース。


踏ん張りが利かないほどの急斜面を高速下山。


その足元に咲く可愛いらしいクワガタソウ。



 


 


 


 それよりも目を惹いたのが、ブランコ遊びができそうな極太フジの蔓。


その後直径1mはあろうかと思われる大きな石が、後方からガラガラと轟音を響かせて落下して来た。


一瞬肝を冷やしたが事なきを得た。


終盤で登山靴に小石が入ったので、取ろうとして無理な体勢で屈んだ瞬間に久しぶりの太腿痙攣(;^ω^)


ここまで足取りが快調だっただけに動揺したが、鎮痛、消炎剤を塗ってどうにか復活。



 


 


 


 やがて仁田元川のせせらぎが大きく聞こえて来ると間もなく林道に辿り着く。


導水管橋付近の山側では猿の群れが遊んでいた。



 


 


 


スタートしてから約5時間後、出発地の銅親水公園に無事到着。



 


 


 


 ラストショットは古河橋から望む本山精錬所跡の風景。



 


 中倉山はマイナーで寂しい山であろうとの先入観があったが、実際に登ってみると随分印象が変わりました。


何よりもあの好展望と明るく開放的な稜線歩きは魅力であった。


静かな山歩きを楽しみたいと言う方にはおススメです。


  【コース】


銅親水公園(7:27)~取り付き(8:11)~中倉山(9:37)~稜線漫歩~中倉山~銅親水公園着(12:36)


出会った登山者は自分も含めて14名。