荒涼とした岩壁、迫力の岩峰群・・・そんな荒々しい景観を見たくて松木渓谷(旧足尾町)を歩いて来た。


辿り着いた先には・・・


まるで北ア穂高連峰を彷彿とさせる迫力の景観からジャンダルムと称される鋭鋒が立ちはだかる!



 


 


 


3月22日(土)、晴れ微風。 


 松木渓谷へのスタート地点は、日本で最大級の砂防ダムとして知られる足尾ダム銅親水公園駐車場。



 


 


 


 まずは車止めゲートを過ぎて左折、回り込むように松木渓谷へと入る。


基本、平坦な林道歩き。



 


 


 


 



 


 


 


仁田元沢(左)と松木渓谷(直進)の分岐地点。


先行者は仁田元沢方面へと向かう。



 


 


 


※足尾山地の多くは銅山の製錬所から出る亜硫酸ガスの煙害や山火事などにより草木は全て枯れ、不毛の地と化した。


特に足尾ダムからニゴリ沢に至る松木渓谷は、荒涼とした岩壁が続いている。


現在は砂防のための堰堤工事や植栽工事が行われているが、


取り返しのつかない自然破壊の愚かさと恐ろしさを感じざるをえない。


(ガイドブックより抜粋)



 


 


 


 



 


 


 


 この開けた辺りから松木村跡となる。


道路脇の石積みも当時のものでしょうか?



 


 


 


 



 


 


 


 銅の精錬過程で発生したカラミと呼ばれる廃棄物が堆積した山。



 


 


 


背筋も凍る何とも言えぬ恐ろしい光景・・・。



 


 


 


ひっそりと路傍に残された墓石。


 


 


 


 


 


 足尾銅山の災害により村民24戸が経営者と示談し、明治35年に廃村となった松木村。



 


 


 


かつてはこんなにも緑豊かな美しい村が存在していた。


あの3.11福島第一原発事故と重なり何とも言えぬ憤りが・・・。


田中正造の名言をもう1度復習しよう。


「真の文明は山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さゞるべし」



 


 


 


 周辺一帯はカモシカのフィールドと聞いていたが、今回はニホンジカを多く見かけた。


他にはニホンザル多数、まさに野生の大国。



 


 


 


 招かざる客の進入で、ずっと監視されているような不思議な気分になった。



 


 


 


 茶屋のような作業小屋?には「お茶無料です」との案内あり。


中を覗いたが無人だったのでスルー。



 


 


 


 旧松木村の奥から来た道を振り返る。



 


 


 


 「足尾に緑を育てる会」などのボランティアによる植栽が進む山々。



 


 


 


 



 


 


 


 程なくして、前方に迫力のある岩峰群が視界に入る。



 


 


 


 どうやらここがガイドブックで紹介されている車止めゲートの小さな広場。


このコース最終地点。


ジャンダルムは対岸の岩場を見上げたところにある鋭鋒とある。



 


 


 


 ここからは自己責任でゲートの先へ進入。



 


 


 


 中倉山北壁、松木ジャンダルム。



 


 


 


 



 


 


 


 この先も堰堤工事や治山用の林道が延びているが、両岸が崩れやすい岸壁で落石の危険性大。


厳冬期には松木沢右岸の沢が凍結し、絶好のアイスクライミングのゲレンデとなっているとの事。


そして松木沢をつめると皇海山へ登るルートへ出るが、我々のような素人ではとても歯が立たない難コース。



 


 


 


 もう少し先へ行きたいが、臆病風に吹かれてこれより戻る事とした。



 


 


 


 



 


 


 


 



 


 


 


最後にもう1度別のアングルからジャンダルムを目に焼き付けて・・・



 


 


 


 


 


 


 


 


 



 


 


 


人災とも言える自然破壊により県内有数の景勝地として知られる松木渓谷。


ネットにも出ていたが、何とも皮肉な結果となったもんだ。 



 


 


 


この不毛の地に豊かな緑が戻る日は来るのだろうか?


  


 


 さらば松木渓谷・・・。