7月下旬の夏休みは台風と共にやってきた低気圧の影響で不安定な天気が続いた。
その為に計画していた谷川岳、草津白根山などの山行を実行出来ずにいた。
8月11日から始まったお盆休みも僅か4日間のみ。
色々と用事もあるし、自由になるのは最初の2日間。
休みの前日になっても何となくその気にならず迷いがあった。
前夜目覚ましもセットせず、登山の準備もしないまま床に就いた。
その日(11日)尿意を感じて目覚めたのは午前3時前。
今なら間に合う。
急遽ザックに荷を詰めて登山の準備をした。
「群馬県の谷川岳に行ってくるけど、遠いので帰りは遅くなる。」
寝ている妻に一言声を掛けて家を出た。
金精峠から日の出前の湯ノ湖、男体山を仰ぐ。
日光を過ぎ群馬県沼田市辺りまでは天気も良かった。
ところが水上温泉に近づいた頃は空模様が怪しくなってくる。
どんより曇り空で周辺の山々の姿は見えず。
最初は上級者コースといわれる西黒尾根を登る予定でいた。
この空模様では下手したら登山すら諦めざるを得ないかも知れない。
とりあえず予定を変更し、ロープウェイの出発地である土合駅Pへと向かった。
谷川岳ベースプラザに到着したのは営業開始時間(8時)の1時間も前であった。
待っている間に外に出て空を見上げると少しではあるが晴れ間も覗く。
よし、登るぞ!・・・そんな気分になってモブログを投稿した。
ロープウェイを降りて天神平から歩き始める。
登山リフトに乗り換えて天神峠に向かう人たちもいるが、谷川岳山頂を目指すならそれは不要であろう。
ガスで谷川岳の展望が無いまま尾根を歩き続けると間もなく熊穴沢避難小屋。
少し中を覗いたがアブがいっぱいで休憩どころではない。
避難小屋を過ぎると鎖やロープの付いた急登が続く。
このコースはロープウェイ利用の最もポピュラーなコースであるが、急峻な谷川岳の一端が垣間見える。
下の写真は下山時に撮ったもの。
手前のおじさんは装備からして山頂を目指す訳では無さそうだ?
時間にすればそれほど経過していないのだが、先が見えないだけに長く感じる尾根であった。
疲れては立ち止まり、登って来た道を振り返って乱れた息を整える。
眼下には小さく天神平のロープウェイ駅も望める。
時には登山道脇に咲く花々が疲れた身体を癒してくれる。
下山して来る登山者に「もう少しですよ」と声を掛けられ、俄然元気が出る。
ガレ場の両脇に広がる花の草原。
ニッコウキスゲも僅かに残っていた。
好きな花のひとつであるキンコウカの群落。
こちらはジョウシュウキオン 。(でんさん、有難うございます)
肩ノ小屋から笹原の道を辿れば「トマの耳」へは一登り。
標高1963mの谷川岳トマの耳。
晴れていれば360度の大展望が楽しめるが残念であった。
ここでモブログを投稿しながら小休止。
双耳峰の谷川岳にはもう一つの山頂「オキノ耳」があった。
ガスが濃くて全くその方向は分からないが、他の登山者の後を付いて行く。
このコース一番のお花畑が広がる稜線。
欲を言えば青空の下をハイな気分で歩きたかった。
オキノ耳(1977m)に到着。
ガスは尚も濃くなるばかり。
視界ゼロの中で栄養補給のため中休止。
本来はランチタイムとしたかったが、天候が思わしくないので下山の途中に後回しにした。
これは蛇紋岩地でのみ生息するホソバナウスユキソウ?
いや、別のものか。(ミネウスユキソウ)
オキノ耳からの下山途中、一瞬であったがトマの耳山頂がガスの切れ間から覗いた。
その後、肩ノ小屋辺りで小雨がぱらついてきた。
これから山頂に向かう人は雨具の準備をしていた。
自分はそのまま高速下山に取り掛かった。
何とか雨雲から逃れられた。
名峰谷川岳登山は終始ガスに包まれた山旅となったが、それはそれで一期一会の風景との出会い。
スリリングな岩稜歩きと稜線に広がるお花畑には大満足で、十分に達成感のある山歩きとなった。
雄大な山岳風景は望めなかったが、谷川岳の圧倒的なまでの迫力、威圧感は体感できた。
今度来るときには迫力の大パノラマを見せてくれよ!
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