夏休み初日は会津駒ケ岳、その後は所用もあり何処にも行けず悶々としていた。


思い立って計画したのが上州武尊山、最高峰の沖武尊(2158m)、剣ヶ峰、中ノ岳などが弧を描く様に連なる独立峰。


深田久弥百名山としても知られるが、尾瀬の山や会津駒と比較するとめっちゃ地味である。


また日本武尊の東征伝説にちなみ、修験道などの山岳宗教で栄えたと言われる。


ルートによっては険悪なクサリ場も多く登山は容易ではない。


そんな中、栃木からのアクセスも近く登山コースとしても一般的な武尊牧場コースを選んだ。


武尊牧場スキー場の先にある東岐駐車場までの林道は落石の為に通行止め。


勿論ネットでの事前情報は得ていた。


仕方がないので武尊牧場スキー場入り口の駐車場から登山口迄歩く事にした。


8時を過ぎればリフトも運行しているが、早朝出発の登山者には縁が無い。


登山口までの片道1時間のアルバイトは結構堪える。



 


 


 


朝6時前に若い女性二人組みとほぼ同時出発。


他には中年夫婦一組が身支度をしていたが、帰り迄に会わなかったので目的地が別だったのか?



 


 


 


スキー場を半分も過ぎると、牛の放牧された長閑な牧草地内を歩く。



 


 


 


リフト最終地点近くの高原を彩るヤナギランのお花畑。



 


 


 


東岐駐車場からのコースと合流し、爽やかなダケカンバ林を抜けて登山口へと向かう。


ここから沖武尊までは7km約3時間の登りとなっている。



 


 


 


登山口からは豊かなブナ林に囲まれた登山道が続く。(写真はブレブレで不掲載)


途中の湿地で見かけた咲き残りのミズバショウ。



 


 


 


間もなく映画『眠る男』のロケ地と言われる場所に到着。



 


 


 


 



 


 


 


その後は長く退屈な樹林帯を只管登る。


同じ百名山でも会津駒に比べ全く人の気配無く寂しい思い。


スタート時に一緒だった女性二人組みとの距離も随分離れて仕舞った。


熊との遭遇に警戒し、鈴や笛、大声での独り言など、いつもより大袈裟に音を出した。


登山口から1時間も歩くと武尊避難小屋に到着する。


中を覗くと、「今は薄汚れていても利用者の使い方次第では綺麗になります」との張り紙。


立つ鳥跡を汚さずの精神でいきたいものだ。



 


 


 


この先には武尊田代湿原との分岐がある。


その後、トボトボと山道を歩いているとこんなものを見つけた。


なるほど、これが最近あるブログで知った『落とし文』と言われるものか。


他人のラブレターを覗く趣味は無いので先を急ぐ。



 


 


 


長い樹林帯を抜けると突然現れる湿原のセビオス岳。


美しいキンコウカの群落に暫し癒された。



 


 


 


 



 


 


 


再び樹林帯に入り鞍部を過ぎると大きな岩稜が立ちはだかる。



 


 


 


このコース唯一最大の難所であるロープ、クサリ場の登場だ。



 


岩場の苦手なリンゴはどうなったのか!


後編に続く。